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クリエイティブであるとはどういうことか?

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数年前のことだ。
「診療予約システムの開発をしよう。」
と決意したとき、
唯一無二である発想を織り交ぜて、誰にも真似できない素晴らしいものを
世に発表しよう! と息巻いたことを思い出す。
いざ始めてみると、僕たちの考えるイノベーションってそもそも何?
ということを、何度も何度も、考える機会にぶち当たる。結局のところ 終始一貫して

これぞ決定版といえるソフトが今もって業界内に存在しない

・・・だから、僕等がそれを創るんだ。

でも営業速度を上げるために

・・・人海戦術はとりたくない。

院長に会えないんですもん。皆さん忙しすぎて。
ってことは、対面営業するとコストがかかるし時間もかかる。
そのコストはシステムの価格に上積みされる。。。。

低価格化と普及の速度を速めるために・・
「販売手法をコンサルティング営業から、オンライン販売にシフトする」

「クリニック予約システムの、無料お試し期間を設ける」
「価格は適正、そして、安いと思ってもらえる予約システムを作りたい」

そのためには・・
「10分で操作を覚えられるシステム」
「初期設定に迷うことが無いシステム」

を実現しなければならない。

このことを達成することが、僕たちにとってのイノベーションなんだ。
そして、システム企画&開発プロセス自体にも新しい切り口が必要なんだなと。

システム開発の一番の難しさは、「マーケットの要求をエンジニアに正確に理解してもらい、その要求を満たすアウトプットを作ってもらう」ということで、これが実に難しい。

なぜなら彼らは現場を知らない。
営業側は開発に伝わる言語でコミュニケーションできない。

誰にでもわかる言葉と書面で、明確に要求事項を開発へ伝えなければ、システムは完成しない。
僕はそのための準備が必須と考えた。

ということで、情報を整理することから始める。

患者の不満
診療所の課題
ネットインフラと携帯の発達
院内ネットワークの制約
院内の物理的制約(間取り:待合、診察室、処置室、レセプション)
いろいろな要素を書き出していく。
仮説を持つ。
現場へ その仮説が正しいか 確認しに行く。
診療予約という「行為」に関わる「課題」が見えてくる。
それら「課題」を解決するソフトウエアを企画するのだが、「すべてを解決」するソフトウエアが 「優れた解決策」となるか? というと、実はそうでもない。 これは、部分最適とか、全体最適とかいう議論にあたる。これは実際に自分が理美容業界の予約システムに関わっていた経験に裏打ちされるものだが、

  • 運用はお店によって必ず違う。
  • その違いは軽微なものである。
ということだ。
しかし、お客様の多くは 「今まで○○だったから、今後も○○でありたい」
と、強く望んでくる。この要求にすべて答えていたら、ソフトウエアは「ハウルの動く城」
のように、イビツでどこに何があるか、全然わからないものになってしまう。これでは本末転倒だ。
「枝葉の多いアプリケーション」は使いにくくなるし、滅多に起こらない特例処理をシステム化することで、かえって「運用が複雑化」する。といった別の「問題」が生じる。
僕は「お客様のために」 なんとかしたい、という思いが常にあって、
でもその意味をはき違えてしまわないように、自分にも、周りにも常に気を配るようにしている。
だから、例えば全国の診療所の1%にも満たないと思われる要求事項をシステムに実装することは、必要のないことだと思うし、業務アプリケーション開発において、とりわけ汎用的に使えるサービスを提供しようとする僕たちにとって、部分最適を追及するアプリケーション開発は、少なくとも今の段階で選択肢に入っていないのは、そういうわけだ。
その一方で、(ここまで書いておいて、こういう事を書くのもあれだが、、、)様々な顧客要望を綿密に練り上げて「問題」が生じにくいユーザーインターフェースを考案したり、新しい技術を取り入れたりすることで、「ハウル城化」しない、「革新的」な何かを生み出してゆきたいという「欲求」は常にある。
そういった試行錯誤の上にある、メディカルフォレストのものづくりについて、当社流の「クリエイティブ」とはどういったプロセスによる成果物なのか? 「我が社が我が社たる所以」がどこにあるのか? 当社に関心を寄せてくださる方々には、特にこの部分をお伝えしたいし、そのポリシーがアプリケーションに色濃く反映されているということをぜひ使って体験していただきたいと思う。前置きが長くなったが、今日は企画開発現場の話しをしたいと思う。

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企画開発の現場に求められること=クリエイティブである、という状態の体系化
個人的に、クリエイティブであるという人間の状態は「センスや才能」に依存するものではなく、「技術として体系化」できるものであると考えている。僕たちは、誰のために?どういった発想で? システムを企画し、何を実現させるか? ということについて、場当たり的に考えるのではなく 「本当に使えるシステム」 をイメージしながら要件を整理するように努めている。

数千時間に及ぶ検討、検証を重ねに重ね、アウトプットイメージを具体的なものにしてゆく。その過程を経たアウトプットこそが体系化されたクリエイティビティの産物に他ならない。その過程で僕が大切にしてきたことについてまとめてみた。

1.自分のルールから外に飛び出す。
僕自身もそうだが、人間は思考リソースの節約のためか、これまで生きてきた経験に裏打ちされた「前提条件」に基づいて思考している。普通に生きているぶんにはこれで構わないのだが、新しい何かを生み出そうとしたとき、前提条件に縛られると「自分のルール」からでしか、「ものづくり」ができなくなってしまう。
「自分のルール(前提条件)」を自覚してその外に飛び出すと、本当の課題が見えてきたりするし、自分が「大切だ」と思っていたことが、思い違いだったということにも気づくことができる。当社ではこのやり取りを徹底的にするようにしている。
僕は基本的に行動する中で思考していく人間なので、時に「うまく言語化できない思考」にぶち当たることがあるが、その都度、客観視する機会に恵まれるわけで、これほどありがたいことはない。
2.物事と物事の関係性を発見する。
僕の母校であるSFC出身者(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)にとっては、このトレーニングは在学中いやというほどしたであろう、「既存の情報と情報を点と線で結びつけて新しい価値創造をするという作業」である。これができると「問題は表面化していないけれど(あるいは運用回避している)」「ニーズはある」という状態を見抜くことができる。

「ひらめき」を捕まえられたら、具体化&実現性を検討する。

このとき、これまで自分が仕事を通じて触れてきた、様々な価値観や経験というフィルタが大いに役に立つ。一見、関係性が無さそうな経験の中にも、関係性を見出し自分の中で何かをインスパイアさせることに成功すると、、、思考のバリエーションが爆発的に広がる。3.さまざまな思考法はインプットしておく。
そして、知っておくことで仕事の効率が大きく変わるのが「思考法」や「発想術」といった、既に先人たちにより体系化されたフレームワークの数々だ。最近読んだブログで面白いなと思ったのはこれ。GA(遺伝的アルゴリズム)の手法でプロジェクトを進めていくという非常に興味深い内容だ。「遺伝の法則」を模倣したモデルで、生命の進化を遺伝子レベルで考えたとき、遺伝子に組み込まれた経験の記憶を組み合わせて、最適な進化を求めるための近似値を求める手法でプロジェクトを運営している。

   リンク:teamLab の思考法

最後に・・
クリニックの予約システムは一見簡単そうなシステムだが、実は結構奥が深い。

メディカルフォレストの診療予約システムは、その開発過程において「実験室」という場を設けていて、実際に利用いただいているユーザー様にご協力いただき、開発途中のアプリケーションが現場でどう活かされるか「試し」ている。

そこで得た結果を開発に活かす。
そういった意味で、「最も現場に近いシステム会社」 であると、僕は思っています。

#診療予約システム 開発日記

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