こんにちは、メディカルフォレストの森川です。
春らしい季節になってきましたね。
この時期はフィラリア予防の予約が始まり、
動物病院さんにとっては、1年の中でも特に忙しい時期となります。
フィラリアシーズンが近づくと、
「この時期は時間帯予約制よりも、順番制の方が向いているのではないか?」
というご相談をいただくことがあります。
本日は、そうしたご相談に対して、
それでも私たちが「時間帯予約制」をおすすめする理由についてお伝えします。
このご相談をいただく動物病院さんを見ていくと、
多くの場合、「時間帯予約制」そのものではなく、
運用や設定がうまく機能していないケースがほとんどです。
具体的には、次のいずれかに該当しています。
■ キャパシティを超える予約を入れてしまっている
・予約のない患者さんを無理にねじ込んでいる
・多頭飼育の来院を1件の予約として扱っている
・設定値が実態と合っていない
このような状態では、
「予約した意味がない」状況に陥ってしまい、
さまざまな悪循環が生じます。
■ 予約制を信頼できなくなった現場で起こること
・予約比率が下がる(予約しない方が早いのでは?)
・遅刻が増える(どうせ遅れるだろう、という心理)
・必要以上に早く来院される(少しでも早く診てもらいたい)
こうした状態の現場では、
予約をしていても60分待ちが当たり前になり、
クレームが増え、スタッフさんも飼い主さんも強いストレスを抱えることになります。
結果として、実質的に「予約優先制」となってしまい、
ひどいケースでは、クレームを避けるために意図的に予約枠を減らし、
当日の順番待ち比率を増やして対応してしまうこともあります。
しかし、時間帯予約制では予約比率を高めていくことが非常に重要です。
目の前の問題に対応するために予約比率を下げてしまうと、
待ち時間対策とは逆の方向へ進んでしまいます。
では、順番制に切り替えれば解決するのかというと、
そう簡単な話ではありません。
順番制には、次のような問題が起こりやすいため、
慎重に判断する必要があります。
■ 順番制で起こりやすい問題点(予約できないことによる影響)
・特定の曜日に混雑が集中する
・朝・夕方に来院が偏る(出勤前・仕事帰りの集中)
・WEB受付と窓口受付の時間差による朝の直来増加
・残業時間が増える
・待ちきれず離脱し、患者数が減少する
・飛び込み患者への即時対応が必要になる
・順番管理・消し込みなどの案内業務が増える
・1件あたりの平均診察時間が長くなり、効率が下がる
・結果として、患者さんの待ち時間が長くなる
・急患対応が発生すると、さらに待ち時間が延びる
多くの場合、
設定値を見直し、本来あるべき運用に整えることで問題は解決に向かいます。
「時間帯予約制が向いていない」のではなく、
「時間帯予約制が正しく機能していない」だけ、というケースが非常に多いのです。
お困りの際は、
問題が深刻化する前に、ぜひお早めにご相談ください。
それでは、また。