増患・集患 待ち時間対策(平準化) 診療予約システムのメリット 導入クリニックのご紹介

既に予約制だった眼科さんが時間帯予約制に変更後なにがどう変わったか?

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今月から運用スタートされた眼科さんから本日お電話をいただきました。

お客様
全体の流れがスムースになって導入して本当に良かったです!

思い起こせば4か月ほど前。既に予約制でいらしたこのお客様では以下のような状況でいらっしゃいました。予約制が上手くいかず、どんどん進行が遅れていってしまうというのです。

現状ざっくり

15分毎に3人の外来事前予約を受けている
15分毎に2人程度の当日枠を設けている
30分毎に1名~2名の特殊検査の事前予約を受けている

<改善したい>
予約外の患者の待ち時間が60分~90分超え
予約患者の案内が累積的遅れていく
残業を減らしたい(60分程度)

眼科にはボトルネックになり得る要素が2つあって、1つ目は診察室の診察速度、2つ目は検査室の処理能力となります。お互いに車輪の両輪のようなもので、どちらか一方のパフォーマンスが低下してしまうと、そこに人の列が発生してしまいます。よくあるのは「診察室がボトルネック」となり、診察待ちの患者さんが長蛇の列になってしまう。(検査はサクサクどんどん進行)ということが起こります。かくいう私も、時間帯予約制ではない眼科クリニックをドライアイ目的で受診する時は90分程度は滞在することを覚悟して時間に余裕をもって受診するようにしているのですが、時間帯予約制が正しく機能しているクリニックを受診する場合、受付から会計まで20分程度に収まることがほとんどです。この違いは患者体験としてもインパクトが大きく、リピート率にも必ず影響すると思います。

私事ではありますが、5年ほど前から通っている眼科さんにも「診療予約2022」をご導入いただきましたが、それ以来、滞在時間が30分を超えたことは1度も無く! とても快適にクリニックを受診することができています。それでいて、クリニックとしては月間総来院患者数は減らない(逆に増える)。残業も減る(大幅に)。という効果まで得られるのですから、時間帯予約制の効果が如何に高いか、、ということになります。

前置きが長くなりましたが、今回のお客様のことについて書いていきたいと思います。

「当日枠を設けている」ことで朝、夕の混雑を誘引している

予約制だが当日余力を残したい。。と考えるクリニックさんは意外と多く、その理由を伺うと「急に調子が悪くなった患者さんのために枠を残しておきたいから」とお答えいただくことがほとんどです。一見、患者さんに寄り添った良い作戦のようにもみえますが「予約枠に空きが無かった。仕方なく朝or夕に並んでいる」という側面もあるということを、お打ち合わせの際にお伝えするようにしています。直来患者が偏って多い日は、その方々の待ち時間はとても長くなってしまうため、クレームや途中離脱といったことにもつながっていきます。そして、クレームや途中離脱を嫌って予約患者さんの隙間に無理に詰め込んでしまうケースも少なくなく「予約患者との約束を守れない」という事態にも発展していきます。これが所謂「予約優先制の限界」という問題です。

当日余力は必要ないと私たちは考えております。もっている枠をすべてWEBに公開することでクリニックの予約表が全て埋まることは経営上とてもいいことですし、計画的に受診したい患者さんにとってもいいことだからです。

そのうえで、予約がいっぱいだけれど当日受診を希望される患者さんの扱いについて、クリニックごとに一定の残業ルールを設けて日々の診療に臨んでいただくと混乱なく運用していただけると思います。

眼鏡処方、初CL、学校健診など検査時間の長い患者の扱いが考慮されていない

もうひとつ、単位時間あたりに処理できる検査の量と診察可能人数が一致するように運用設計されていない場合、眼鏡処方や初CLなどの患者さんが集中してしまったときに検査室の処理速度が低下し、診察室が暇になってしまうという問題が起こります。冒頭で車輪の両輪に例えた通り、一方の車輪が低速回転してしまうと前に進めず、ぐるぐるとその場を回転してしまうということと同じことが発生いたします。そのため、全体の進行が遅れます。オルソケラトロジーの初回適応検査や、サイプレジン、HFA、GP、アトロピン、マイオピン等も同じですので、「診療予約2022」をご利用いただく眼科さんの運用設計をする際は、特殊検査や長時間検査室に滞在する症例の量をコントロールするようにロジックを構築します。

こうすることで、全体の血の巡りがとてもよくなりどこかが渋滞するということが起こりにくくなります。

キャパシティベースで運用を設計する

異なる受診目的の患者さんが、毎日異なる人数比率で来院するクリニックの待ち時間対策を設計するために、弊社では、設計を基本的にお客様だけに委ねることはせずに、できる限り設計初期の段階から関わらせていただいております。とにかく医師、検査室のキャパシティに合うように設計をしていきます。受診目的別の人数比率も伺いながら、診療時間内に診察可能な人数を割り出します。症状毎に1患者当たりに要する診察時間も異なりますし、オペの説明は時間がかかります。そういったこともすべて考慮して設計します。こうすることで、進行が遅れてしまうことを恐れずに予約比率を高めていくことができるようになります。

時間帯予約制の導入効果

さて、実際の導入効果ですが。色々なことが劇的に改善され、開始1週間で効果を実感いただくことができました。

効果!

  1. 飛び込みの患者さんが激減した(100人あたり6人程度の予約外飛入り)
  2. 検査待ち、診察待ちの列が解消された(常時検査待ち3人、診察待ち3人程度)
  3. 滞在時間が半減した(受付→会計までの滞在時間が約20分※検査項目による)
  4. 残業をコントロールできるようになった(30分程度)
  5. 待ち時間に対するクレームが無くなった

今後の課題が見えてきた。

既に、今後の課題が見えてきています。「時間帯予約制」が正しく機能したことでクリニックのキャパが広げれられることが判明しました。それに伴った設定の修正を検討する必要があります。

お客様
診療効率が高まり、自分たちのキャパをもう少し広げても対応できることが判りました。今までと同じだけの患者数を診ているのにも関わらず、実は診察室が少し暇になることがあるんです。前はこんなことは無かったのですが。

残業を減らす方向に調整するか、残業は30分ほど許容して増患側に設計を持っていくか。ご検討いただくことにしました。予約システムは、導入後しばらくすると患者さんの受診行動が変化しますのでそれに合わせた設定値の見直しが必要となるケースがあります。今回はまさにそのケースでございました。

まだ始まって1か月目となります。2月、4月の繁忙期に向けて設定値の再構築が恐らく必要になると思いますので引き続きサポートしていきます。

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