診療予約システムの基本

急患や重症患者さんが原因で全体に遅れが生じたとき、時間帯予約制は本当にうまくいくのですか?

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『急患や重症患者さんが原因で全体に遅れが生じたとき、時間帯予約制は本当にうまくいくのですか?』

この質問をいただくことがとても多くブログにまとめてみることにしました。
結論から申し上げますと、急患や重症患者さんが重なってしまった場合はもうどうしようもありません。全体は遅れます。大切なことは、そうなってしまったときにクレームになりにくい状況をクリニック側はあらかじめ作っておく必要がある、、、という考え方を弊社では持っております。

<クレームになりにくい状況とは>

急患などにより、全体の進行が遅れることがあるということは医療機関である以上起こりうるということを、WEBサイト、院内掲示、予約システムでメッセージとして伝え続ける。
その代わり平常時は、診察の遅れが起こりにくい正しい設定値と運用方法で「時間帯予約制」を運用するように努める。

・・・と、いうことに尽きます。
※時間帯予約制の基本的な考え方については下記スライドに委ねます。

このスライドの通りに時間帯予約制を導入して月間の来院患者数を減らすことなく、患者一人当たりの院内平均待ち時間を20分程度に収めるお手伝いをさせていただいているのですが、

ほとんどの院長先生がはじめは『本当にうまくいくのか?』と半信半疑でいらっしゃいます。

弊社では患者さんの来院動向分析をさせていただいておりますが、その結果にもとづいた設定値で始められたクリニックさんからは『本当にうまくいきました♪』というご評価をいただいております。

他社さんの予約システムをご利用されていて、うまくいっていないクリニックさんからも良くご相談をいただきます。お話しを伺うとシステムの設定が間違っているか、運用の仕方が間違っているかのどちらかで、どうして、、、そのような運用方法をメーカーは提案しているのか??理解に苦しむケースもしばしばあります。こういったご相談をいただいたときは、弊社が独自に持っている「時間帯予約制」の基本的な考え方と運用のルールをきちんと守って適切な設定値で運用していただければ、クリニックの待ち時間対策に成功する確率がとても高くなりますので、まずはその前提となる運用の土壌をクリニックのみなさんと一緒に作っていくということからはじめていきます。

しかし! 時々うまくいかない日に遭遇します。
それが、急患や重症患者さんが来院した際に全体に遅れが生じてしまったときです。

例えば、30分6枠で運用しているクリニックで、重症患者の診察が2枠入ったことで結果的にその2枠に40分要してしまい、残り4枠を20分で終えることができたとしても、全体が30分も遅れてしまうことになります。

この時の対応は下記のとおりとなります。

<対策>

+全体が遅れてもなにもしない。(運の悪かった日ということで患者さんには窓口で説明し了承してもらう)
+遅れていることをメールで通知もしない。(すべきではない)
+診察のペースを上げて是正を試みる。
+後続の開いている予約枠をダミーで埋めて調整する。

<自然に発生する現象>

+一部の患者さんは予約時間までに来院せず遅れてくる(面白いくらいにばらける)→院内待ち時間は短くなる。
+30分未満で診察が終了する回も必ず存在する。

<私たちが考える時間帯予約制とは>

+時間を絶対に守るものではない、できる限りの努力はするが医療なので遅れは生じるもの。
+逆もまた真なりで、予約時刻よりも早く診察室へご案内できる場合もある。
+もともと「時間帯予約制」は遅れが生じにくい優れた仕組み。さらに遅れが生じにくい設定値を詰めて詰めて考えてきちんと調整すれば上手くいく。
+それでも不運にも遅れてしまった場合、、「完全予約制」であれば通知してもいいと思うが「時間帯予約制」においては遅れをメールで通知すべきではない(通知することは可能だが利用は非推奨)。メールによる遅れ通知は遅れをさらに増大する可能性がある。また、そもそもどのタイミングで誰を対象に通知すればいいか決められるのか?決められない。なぜなら、今は遅れているが途中で元に戻るかも知れない。予約の空き状況によってはそこがクッションになって次の時間帯であっさり是正してしまう事もあるし、刻一刻と飛び込み来院患者も来るのでさっきまで空いていたクッション枠も次の瞬間には埋まっているかも知れない。仮に通知メールを送信したとして、もし「遅れている」メールしか読まず、「回復した」というメールを読まない患者さんが多かったら? 回復したことを知らずに、遅れを考慮してゆっくり来院したら『遅刻扱い』になってしまうのでは? こういった諸々の問題があるため、患者さんには「予約時刻通りに来院してもらう」を徹底し、行動パターンに焼き付けていただいたほうがいい。
+急患や重症患者さんが偶然重なってしまった日は「運の悪い日だった」ということで諦める。遅れを是正する対症療法はいくつかあるので可能であればそれを実施する。『医療機関は急患などにより全体の進行が遅れる場合がある』ということを事前に患者さんには含み置いていただくコミュニケーションを日常的にし続ける。
+仮に全体に遅れが生じたとしても、受付順番制よりもはるかにトータルの待ち時間は短いはず、比較の話しで考えれば、時間帯予約制は患者にとってもメリットがある。

以上です。
弊社では、現在の課題を伺い、上記のようなお話しをお伝えさせていただきながら様々な成功事例をご覧いただき、そのクリニックに適したご提案をさせていただいております。

最近の傾向としては「受付順番制しか無理」と多くの医師が考えていた、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、動物病院が「時間帯予約制」へどんどん運用スイッチされて成功されています。小児科、皮膚科、婦人科、脳神経外科、消化器科、循環器科、内科のクリニックさんは可能であれば今すぐにでも「時間帯予約制」を検討してみていただきたいと思います!ぜひ、弊社までご相談ください!

※運用形態によっては「受付順番制」が適している場合もあります。

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