電子カルテ連動のメリット・デメリット

レセコン連動できなくても全然問題ない【前篇】|新患データはいつ?誰が?何回登録するもの?(考察)

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診療予約システムは電子カルテと連携したほうがいい?(掲載予告)
で予告させていただいた件について、これから数日かけて連投します。
まずは、レセコン連動に関する考察です。
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期待医事コンピュータ(レセコンや電子カルテ)と連動する予約システムでは、患者の頭書きデータが連携されて操作手順が少なくて済むのでは?
結論:いいえ、仮に連動させたとしても、新患登録に関しては2度手間が発生することを免れることができません。最大2回、事務スタッフが予約システム&医事コンに新患データを入力します。
解説:新患から予約のTELがあったとき、スタッフは予約システムで空きを確認します。(ネットから入る新患予約の場合患者が入力)空いている場所に、新患予約を電話しながら流れで入力するのが自然です。各予約システムメーカーも同様の使い方を推奨していると思います。この時点で、医事コンピュータに新患データは自動で登録されません。

理由は3つあります
理由①・・そもそも、医事コンピュータは予約システムと双方向通信させたがらない(強く非推奨)。セキュリティの都合上医事コンから予約システムへ情報の書き出しはあっても、その逆は推奨されません。ネットに接続された端末から医事コンへのデータ書き出しはあまりにもリスクが高すぎる為です。これにより、医事コンから予約システムへの一方通行通信を強く推奨しています。もちろん、双方向通信可能に設定することも可能ですが、漏えい時のリスクテイクは医療機関側が取ることになります。

理由②・・来院しないかもしれない新患データを医事コンへ書き出す必要は無い。上記1でほぼ説明がつきますが、仮に双方向通信を認めた場合、運用上の別の課題が発生します。予約だけ取った患者データを、来院するかどうかわからない不確定な状況で医事コンピュータに対し頭書きデータを書き出す必要が果たしてあるかどうか?という視点です。重複する不明データ発生の温床になりますので注意が必要です。

理由③・・予約電話では必ずしも正確な患者情報を取得できるとは限らないため、結局再確認&データの修正&補足入力が必要となる。予約の時点で、患者さんの氏名を漢字で確認することはまず無いと思います。(昨今のきらきらネームは事実上不可能) 実際は、来院して新規カルテ発行時に保険証に記載された正確な情報を医事コンピュータへ入力するのが普通です。予約取得時にひらがな入力した患者データを開き、漢字データに書き換える必要がほぼ100%の確率で生じます。この行為自体が新規カルテデータ作成と同等の作業量と思います。

上記①②③の理由を踏まえて、実際のオペレーションに落とし込むと以下のような結果となります。

結果1・・・システム連携しない場合、新患予約時に予約システムに対して1回、来院時に新規カルテデータを医事コン側に作成する際に1回、合計2回のデータエントリーが必要です。

結果2・・・仮に双方向通信のシステムと連携した場合予約システムから医事コンに新患データが自動登録されても、上記理由③により確認修正の作業が入るため、工数削減にはならならず、結局約2回のデータエントリーが必要です。

結果3…仮に一方通行通信のシステムと連携した場合(医事コン→予約システム)、新患予約時に予約システムに対して1回、来院時に新規カルテデータを医事コン側に作成する際に1回、結局合計2回のデータエントリーが発生。また、このケースの場合2回目以降の予約では、医事コンから予約システムに対して書き出された頭書きデータを利用して予約入力するため、予約システム側に初めて入力された「新患データ」は不要となるため最終的に削除される「仮データ」であり、削除や名寄せといった処理が追加で必要となります。ということはつまり、連携しないケースより工数が多いことになります。さらに、このケースで(仮)新患データを削除する場合(名寄せができないシステムの場合)予約システム上では「初回来院」の履歴は破棄されて残らないというデメリットも生じます。

結論:連携不要・・・オペレーションの工数削減に繋がらないため、連携は不要。…ということになります。

補足:予約システムと医事コンの通信(一方通行、双方向)を認めた場合で、何かの加減でシステム間の連携が上手く機能しなかったりすると、予約システムを切り離して一時的に単体運用に切り替える必要がでてくることもあり、その作業を誰かが習得する必要があります。また、パソコンや、医事コンの院内サーバーの再起動で連携機能が復旧するかもしれませんが、結構な時間を要します。そういう意味でも、予約システムは医事コンと切り離して考えておいた方が、シンプルでわかり易く、紙の予約台帳と同じ感覚で利用できます。例外:唯一連携すべきデータ→既に来院済みの患者データ。これは診療予約システムに一括投入すべきで、診療予約システムにはデータインポート機能を用意しています。キーワード:診療予約システム,病院,クリニック,レセコン,連動,連携

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