120分待ちのクリニックが20分以内に待ち時間を短縮することができた事例をご紹介いたします。
目次
現状の課題
2014年10月、ある皮膚科クリニックの院長先生からご相談のメールをいただきました。概要は以下の通りです。院長先生曰く、、「ふたを開けてみないと、今日何名の患者さんがいらっしゃるのかが全く分からないため、残業がどの程度になるのかハッキリしない。そのことが組織全体のストレスにもなっているしクレームや離職に結びついてしまっている。」
1.待ち時間「120分」以上!
2.20時~21時以降まで続く診察
3.駐車場不足・路上駐車のクレーム
4.待合室の椅子不足
5.職員の離職率が高い&採用困難
6.診察の質が下がっている(混雑時に急ぐため)
・・・これらの問題を解決したい!
郊外型の受付順番制クリニックに良くあるケースです。移動手段が自動車であることと周辺に競合他院が少ない場合、このような異常な混み方をします。
悪循環に陥る患者さんの受診行動
このような状況下では、患者さんはどれだけ待てば自分の診察順になるのか情報が無いため、
朝いちばんに集中(早く診てもらいたい)
夕方に集中(仕事帰りしか時間がない)
月曜に集中(週末悪くなって月曜に診てもらいたい)
土曜に集中(平日は時間のやりくり出来ない)
上記の曜日&時間帯に患者が集中し、患者側は混雑する仕組を知らないため悪循環に陥ります。
「異常な混み方をする」と書きましたが、本質的には異常に混んでいるというのは間違いで、患者さんが局地的に集中してしまうため混雑しているように見えてしまうというのが本当の姿です。
来院タイミングの平準化が唯一の解決策
この問題を解決する方法はとても簡単です。単純に来院を分散させればいいのですが、その方法は2通りあって「ネット順番待ち」ができるように予約システムを導入する方法と、受付順番制を廃止して「時間帯予約制」に運用スイッチする方法です。今回は「時間帯予約制」への運用変更をご提案させていただきました。
導入効果
実際に導入に至るまでには、運用スイッチに伴うハードルがありましたので簡単ではありませんでしたが結果は大成功でした!
2015年の2月から運用開始していただき、院長先生からお喜びのメールを頂戴いたしました。
株式会社メディカルフォレスト
森川崇行様お世話になります。本日より予約診療を開始いたしました。今日はこの時期にしては患者数が多く、午前中の人数としては夏のピーク時の平均と同じだったのですが、待ち時間は10分程度以下で大変スムーズに進みました。予約はまだ少なくて午前で10数名程度だったのですが、これだけでも分散した分うまく流れたのかなと、ちょっとうれしい気持ちになっています。
初日からなんと10分程度以下!
私もとても嬉しくなりました。正しく運用を見直すことで院内環境が劇的に変わるということをあらためて証明することができました。
以下、具体的な成果です。
2.遅くとも19時頃には終わるようになった ※1か月の来院患者数は減らなかった
3.駐車場不足・路上駐車のクレームが解消した
4.待合室の椅子不足が解消した
5.QOLが上がり離職率低下が期待できる
6.診察の質を一定にコントロールできるようになった
次回以降、検討開始から導入意思決定までの流れをご紹介していきたと思います。
>受付順番制の皮膚科クリニックに時間帯予約システムを導入した効果②【導入プロセス編】へ
システムについては下記リンクでご紹介させていただいております。