診療予約システムの運用方法について、
下記内容の問い合わせをいただきました。
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ニーズ:
基本的に午前診療(一般外来)は順番待ちで運用する。
しかし、患者さんの中には「11時なら行ける」という人も少なくない。
そういう患者が自ら11時にフォーカスをあてて順番待ちできる仕組みを構築できないか?
規模:
1診、診察室×2、処置室×1
予約パターン:
順番待ち:(午前診療)一般診療
予約外来:(午後診療) 予防接種、乳児健診、他
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まず、結論から申し上げますと
上記をシステム運用すると、残念ながら「予約自体が上手くいかなくなる」結果に陥ります。
その理由は以下の通りです。
「時間を指定できるのであれば、患者は皆時間を指定したくなる。」
これに尽きます。
そうすると、皆そのように事前に予約をシステムからとるようになります。
冒頭の例で言うと、その患者さんは果たして14時に診察を受けることが出来るでしょうか?
応えは 「NO」 です。
理由は簡単で、時間指定する患者が増えれば増えるほど、
時間通りに診察を受けられなくなるからです。
完全予約制(時間指定)のクリニックを例に取れば明らかですが、
11時診察予定で、11時に診察開始できる小児科さんは滅多に存在しません。
完全予約制でさえそうなのですから、そこへ順番待ちの飛込み患者が増えれば
どういうことが起こるか想像してみてください、ますます混雑&待ち時間が増大します。
もちろん、時間指定患者を優先してその時間が訪れたら通すことはできます。
しかし、8時半に順番待ちで並んだ患者が11時に来院した予約患者より
後回しにされてしまう状況が目の前で起こります。
理屈では分かっていても、8時半に並んだ患者はいい気分にはなりませんよね。
そして、この仕組みを知った患者のほとんどが事前に時間指定した場合
今度はその時間に診察を受けられなくなってしまいます。
ということで、本来の目的を果たすことができなくなります。
堂々巡りですよね。
他にもデメリットがあります。
12時半に来院した順番待ち患者の紙カルテは、棚から出されて、
診察待ちのBOXに投げ込まれることになりますが、これを管理する看護師も大変です。
時間指定患者と混在するわけですから・・・
「次はだれ???」
画面を見ながら、順番待ちと時間指定の患者の配置を把握して処理してゆかなければなりません。
作業効率が下がります。
、、、以上の通り、実はデメリットの方が多いのです。
順番待ちと、時間指定が同じ時間帯に混在する運用をシステム制御できると一見便利そうですが、要は発生頻度です。時間を指定しなければ絶対に来院できない患者さんが1日に何件あるか?です。
発生頻度が高いのであれば、完全予約制(or予約優先性)のクリニックにすればいいのです。
その頻度が低い場合は、その患者だけを特例運用でカバーすればいいのです。
診療計画の都合上、どうしても指定日に来院していただかなければならない場合に限り、
「14時に来てください。その際受付にその旨を伝えてください」
これだけでいいのです。
こうすることで、整然と処理される順番待ちの予約運用に「ぽつ、ぽつ」と「特例」が存在する。
これが最もシンプルでわかり易い運用ですよね。
ということで、競合他社があるなかで弊社の「診療予約システム」を採用いただくこととなりました。
これから、長いお付き合いとなりますがよろしくお願い致します♪
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